高配当株投資を実践していると景気敏感株(シクリカル銘柄)に偏り過ぎていないか気になったりしませんか?
景気敏感株(シクリカル銘柄)は株価の変動が激しく、暴落局面で大きく下落する一方で、高いリターンを期待できるのが特徴です。
景気敏感株の偏らないように見極め方を知りたいけど、どうやって調べたら良いかわからないと悩んだりしていませんか?
景気敏感株とディフェンシブ株を見極める方法は主に2つあります。
その①:業界ごとで見極める
その②:β(ベータ)値で見極める
順番に見極め方を解説していく前にそもそも景気敏感株とディフェンシブ株の違いについて紹介していきます。
景気敏感株とは
読んだ字の通り景気動向の影響を受けやすい銘柄のことを景気敏感株またはシクリカル銘柄と呼びます。
景気敏感株はなぜ敏感に反応するのかは色々言われていますが、世の中の産業全般に基礎的な原材料を供給している企業が多い点が挙げられます。
その為、調達の川上に位置する業種が多い為、他の業界が景気の影響を受ける前に業績が落ちます。
結果として景気敏感株が他の株に先行して動きやすいので景気の影響を受けやすい銘柄となっています。
景気敏感株は先行して株価が動くので、トレンドの転換点を見つけるのにも役に立ちます。
ディフェンシブ株とは
逆にディフェンシブ銘柄は世界経済に関係なく、景気に関係なく必要不可欠な商品、サービスを提供しているセクターになります。
その為、安定した業績を残せるので、株価の変動が少ないというのが特徴です。
安定的に配当金を受け取りたい場合や景気後退期に好まれる株が多いです。
景気敏感株とディフェンシブ株の見極め方は
では次に景気敏感株とディフェンシブ株の見極め方について解説していきます。
業界ごとに見極める
好景気の際に良く売れる業種や素材メーカーなどは景気の影響を受けやすい景気敏感株に分類されます。
業界ごとで景気に敏感かどうかを識別することができます。
分類したものがこちらになります。
業種 | 代表銘柄 |
---|---|
自動車 | トヨタ自動車、スズキなど |
空運 | ANA、日本航空など |
海運 | 日本郵船、商船三井 |
ガラス | 日東紡績、AGCなど |
紙パルプ | 王子製紙、国際紙パルプ商事など |
商社 | 三菱商事、住友商事など |
非鉄・金属 | 三菱マテリアル、日本軽金属など |
鉱業 | 日鉄鉱業、石油資源など |
繊維 | 日清紡、富士紡など |
鉄鋼 | JFE、日本製鉄など |
機械 | アマダ、芝浦機械など |
ゴム | ブリヂストン、住友ゴムなど |
造船 | 川崎重工、三菱重工など |
化学 | クラレ、旭化成など |
電機 | 安川電機、東芝テックなど |
精密機器 | 島津製作所、日機装など |
あくまで景気敏感と言われている業界を選定したものとなります。
各企業その業界に分類されていても、様々な事業をやっているので景気に左右されない銘柄もあります。
β値と合わせて景気敏感株を見極めるようにしてください。
β(ベータ)値で見極める
β値は市場全体の指数(日経平均やTOPIX)に対してどれだけ敏感に反応するかを調べれる指数となります。
市場平均を1.0とした場合に市場が上下した際に同じように動く銘柄は1.0よりも数字が大きくなります。
市場平均と同じように動かない銘柄は1.0よりも数字が小さくなります。
その為不景気に陥った際にも株価が下落しにくい銘柄や好景気な際に大きな利益を狙える景気敏感株を探すのに活用されます。
なお、ベータ値はあくまでも過去の実績に過ぎず、将来の値動きを保証するものではありません。
したがって、現在のベータ値と3年後、5年後のベータ値は異なってきます。
過去のベータ値の推移から、鉄鋼、海運、不動産、証券といったいわゆる景気敏感株は、ベータ値が高くなる傾向にあります。逆に医薬品、食料品、小売りといったいわゆるディフェンシブ株はベータ値が低くなる傾向にあります。
景気敏感な業種とβ値を使って見極めれば景気敏感株への投資に偏り過ぎるのを防ぐことができます。
最後に
株への投資を行っていると直近のパフォーマンスの良い銘柄や高配当な株への投資してしまいがちです。
結果としてリスクを取り過ぎてしまい、暴落局面での狼狽売りに繋がったりします。
景気敏感株へ投資しすぎない安定的なポートフォリオを作る意味でも今回紹介した業種、β値を参考に投資をするようにしてみてください。
私が実践している日本の高配当株投資の運用状況も公開しているので、良かったらそちらも読んでみてください。
この記事が少しでも参考になったという方は下のブログ村のボタンをポチっとして頂けるとブログ継続していくモチベーションになるのでお願いします。
コメント