投資初心者だった私も高配当株投資を始めてから運用期間が20カ月となりました。
始めたきっかけやその当時の状況が知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
この記事では実際に私が購入した銘柄、運用している銘柄の状況、運用20カ月の相場環境がどういった状況だったのかを解説しています。
これから高配当株投資を始めようか悩んでいる方、高配当株投資を始めたけどどうやって運用していったら良いのか分からないという方は最後まで読んでみてね。
すぐに20ヶ月目の運用結果が知りたい方はこちらをクリックしてみてね。
【運用20カ月目】高配当株投資の状況は!?

今月も運用20ヶ月目の海外、国内の相場環境がどうだったかについて振り返っていきます。
20ヶ月目海外の相場環境(8月16日~9月15日)
今月は8月25日~27日にかけてジャクソンホール会合が開かれました。
ジャクソンホール会合は年に一回世界中の中央銀行総裁や政治家、学者が集まって世界経済や金融政策について話し合いを行う場所です。
そこでアメリカのFRB議長パウエルさんがどんな発言をするのかについて注目を集めていました。
パウエルさんの発言は以下の通りです。(NHK記事を元に作成)
- 経済に影響が出ても物価の安定を優先させること
- 物価を安定させるために、急速な金融引き締めの継続が必要であること
- 高インフレな状態が長引けば更なるインフレを呼ぶ悪循環に陥る可能性があること
真新しい発言等はありませんでした。
7月のアメリカのCPIでインフレ率の鈍化がみられたことから2023年には利下げに転じるのではないかとの期待感で上がった株価を冷ます意味でも改めても厳しい発言をしたように思えます。
実際ジャクソンホール以降は上昇していた株価が一転下落に転じました。
現在世界中で注目されている金利についても振り返りたいと思います。
国名 | 政策金利(最新) | 前回 | 前々回 |
---|---|---|---|
アメリカ | 2.50%(7月) | 1.75%(6月) | 1.00%(5月) |
イギリス | 1.75%(8月) | 1.25%(6月) | 1.00%(5月) |
カナダ | 3.25%(9月) | 2.50%(7月) | 1.50%(6月) |
欧州 | 1.25%(9月) | 0.50%(7月) | 0.00%(6月) |
日本 | ー0.10%(7月) | ー0.10%(6月) | ー0.10%(4月) |
9月7日にカナダ、欧州で0.75%の利上げを9月に行うことを発表。
世界各国では深刻なインフレを抑えるために今まで見たことがないようなスピードで金利をあげていっています。
世界中で注目されていたアメリカのCPI(消費者物価指数)の結果も予測を上回るインフレ率となっており、投資家の期待感を裏切る結果となりました。
8月結果 (前年同月比) | 市場予想 | 7月結果 | |
---|---|---|---|
総合 | 8.3% | 8.1% | 8.5% |
コア | 6.3% | 6.1% | 5.9% |
季節的な影響で価格が変動しやすい生鮮食品を除いた「コア指数」に注目している人が多いです。
コアCPIの上昇率も鈍化すると見られていたなかで前月よりも大きく上昇したことで9月のFOMCでの利上げが0.75%になるのではないかとの見方が強まっています。
強い雇用統計の結果も利上げを緩める可能性が低いと考えられる要因の1つです。
結果 (前年対比) | 市場予想 | 前月結果 | |
---|---|---|---|
雇用者数 | 31.5万人増 | 29.8万人増 | 52.6万人増 |
失業率 | 3.7% | 3.5% | 3.5% |
平均時給 | 5.2%増 (前年同月比) | 5.3%増 (前年同月比) | 5.2%増 (前年同月比) |
家計調査に基づく8月の失業率は3.7%は6カ月ぶり高水準でしたが、雇用者数は予想を上回る結果になっています。
アメリカと一緒に世界経済を牽引してきた中国もロックダウン(都市封鎖)などの新型コロナ対策や住宅市場の低迷など厳しい状況が続いています。
ロシアによるウクライナ侵攻も状況は変わってきてはいるものの戦争終結にはまだ至っていません。
FRB(米連邦準備理事会)による国債などの保有額を減らすQT(量的引き締め)のペースを9月から2倍に速めるといったニュースがあるなど株式市場はしばらく厳しい状況は続きそうですね。
20ヶ月目の国内相場環境
世界各国が政策金利の引き上げに動くなか日本では金融緩和を継続しています。
その結果、急激に円安が進んでいっています。
下記の図と表は円に対して各国の通貨の価値がどうなったかを表した1ヶ月の推移となります。

通貨 | 9月15日 | 8月15日 | 差額 |
---|---|---|---|
ドル/円 | 143.36 | 133.15 | +10.21 |
ユーロ/円 | 143.19 | 135.31 | +7.88 |
ポンド/円 | 164.18 | 160.53 | +3.65 |
フラン/円 | 149.03 | 140.75 | +8.28 |
カナダドル/円 | 108.20 | 103.18 | +5.02 |
1ヶ月の推移とは思えないほど為替相場が動いていますね。
ドル円は一時145円にせまりました。鈴木財務大臣が為替介入の可能性を示唆したり、1日で2~3円も動くなど不安定な状況が続いています。
円安が進んでことで9月13日発表された8月の企業物価指数も過去最高となりました。
2020年の平均を100とした水準で115.1と5か月連続で過去最高となっています。
上昇率は前年同月比+9.0%と前月に引き続き高い水準です。
急激な円安とロシアのウクライナ侵攻の影響で小麦粉などの「飲食料品」や電気料金が高騰したのが原因と考えられています。
8月19日に発表された7月のCPI(消費者物価指数)も高い水準となっていました。(2020年を基準に100とする)
消費者物価指数 | 7月結果 (前年同月比) | 6月結果 (前年同月月比) | 5月結果 (前年同月比) |
---|---|---|---|
総合指数 | 102.3% (2.6%上昇) | 101.8% (2.4%上昇) | 101.8% |
生鮮食品を除く総合指数 | 102.2% (2.4%上昇) | 101.7% (2.2%上昇) | 101.6% |
エネルギー、生鮮食品を除く総合指数 | 100.6% (1.2%上昇) | 100.1% (1.0%上昇) | 100.1% |
日銀が目標としている2.0%以上のインフレ率を先月も達成しています。
9月20日に8月CPIが発表されますが、どれぐらいの値が出てくるのか注目して待ちたいと思います。

岸田内閣の支持率が急落していっています。

安倍元首相の国葬費用に約16億円を超える規模の税金が投入されることや統一教会との繋がりがある自民党議員が多数いたことなどを受けて反発が高まっています。
支持率回復をさせようと内閣改造を先月行いましたが、目論見が外れる結果となりました。
10月に解散総選挙が行われるのではないかとささやかれるようになっています。
解散となれば昨年同様次の総理大臣の経済対策への期待感から株価の上昇も期待できるので、タイミングを見て短期で仕掛けても良いかもしれませんね。

今月はNISA制度の恒久化案を金融庁が提出したことでもSNS界隈を盛り上がらせました。

NISA制度の改正が行われれば、金融所得課税の見直しなども合わせて行われる可能性があるので、こういったニュースにも注意していきたいですね。
個別銘柄ごとの20カ月 運用結果(2022年8月16日~9月15日)
今月も個別銘柄ごとの運用結果から振り返っていきます。
先月の状況が気になる方はこちらの記事も読んでみてね。
橙マーカーは景気敏感株、黄色マーカーは配当金構成比が3.0%以上の銘柄となります。
dddaffac15fc67ee2108f51076adc6e6先月の時価合計金額800,398円から849,640円と順調に運用金額を増やせています。
損益金額は73,285円から75,834円と利益額もあと少しで8万円に手が届くところまできました。
円安による原材料価格高騰に苦しむ企業や半導体不足での製造数量減少で業績不振に陥っている決算発表の悪かった企業を中心に今月も株価がさえない状況です。
スター精密や三菱商事などは円安の恩恵を受けて業績が好調に推移した銘柄は好調な株価推移になっています。
また海外の観光客が戻ってくることが期待されるインバウンド銘柄の花王、JR九州といった銘柄も株価が回復してきています。
年間受取配当金は32,997円となり、もうすぐ1ヶ月分の積立NISA枠上限額分を配当金で受け取れるような状態となってきました。
少額すぎて意味があるのかと感じる時もありますが、堅実に増やしていきたいと思います。

投資銘柄数は1銘柄の買い増しを行ったので全部で82銘柄となりました。
敏感株(β値1.0以上)の投資割合が49.82%(目標50.0%以下)という結果でした。【β値参考:証券用語解説集(野村證券)】
ディフェンシブな医薬品銘柄を中心に買い増したので景気敏感株の割合を若干下げられています。
配当金構成比が3.0%以上の銘柄は4銘柄となりました。
自重堂の配当金構成比4.55%と先月(4.92%)よりは下がっているものの、他の銘柄を中心に買い増すことで依存度を下げていきたいと思います。
ちなみに私は高配当株投資で安定的なポートフォリオを作るために、下記の3つを注意して投資しています。
- 特定業種に偏らないようにする(各業種構成比20.0%以下)
- 特定銘柄に偏らないようにする(個別銘柄からもらう配当金比率は3.0%以下)
- 配当利回りの高い株を買いすぎないようにする(平均配当利回り4.2~4.8%の範囲にする)
高配当株ポートフォリオを作る際は意識してみてください。
【運用20ヶ月目】セクター別ポートフォリオの運用状況
今月も特定業種に偏り過ぎていないかを確認する為に、セクターごとの割合を確認していきます。


先月に引き続きサービス、化学、情報通信セクターへの投資割合が高くなっています。
卸売、医薬品銘柄を中心に買い増したのでサービス業から貰う配当金の依存度が下げることが出来ています。
ディフェンシブ銘柄をもっと買い増したいものの、なかなか株価が下がってこない状況です。
来月は余剰資金を残しつつも少しずつ投資割合の少ないセクターを中心に買っていきたいと考えています。
20ヶ月目 新規購入銘柄
今月は新規で1銘柄、保有していた12銘柄の買い増しを行いました。
- 6490 日本ピラー工業
- 5388 クニミネ工業
- 3315 日本コークス工業
- 1925 大和ハウス工業
- 4536 参天製薬
- 9698 クレオ
- 9986 蔵王産業
- 4248 竹本容器
- 3407 旭化成
- 5857 アサヒHD
- 8591 オリックス
- 6622 ダイヘン
- 6134 FUJI・・・海外売上高9割。電子部品実装ロボットおよび工作機械の開発・製造・販売・サービスを提供。
新規購入銘柄
各種エレクトロニクス製品の基板に電子部品を装着する電子部品実装ロボットで世界トップクラスのシェア。
工作機械でも、汎用性の高いNC旋盤や自動化のための周辺機器で自動車・部品メーカー、機械メーカーの製造現場をサポートを行っている企業です。
中国をはじめとする海外市場が主力で、アジア地域のさらなる強化や南米など新たな市場の開拓に力を入れており今後の売上UPが期待できるのではないでしょうか。
PC、ケータイ、その他IT関連機器の心臓部である回路基板に、チップやICなど様々な電子部品を装着する産業用ロボットや各種ロボットと搬送ユニットを組合せた旋削加工システムを得意としています。
直近の決算発表では世界的な半導体不足、中国のロックダウンの影響を受けて、需要はあるものの材料費が高騰し、利益を減らす結果になっています。
通信インフラ、サーバー、EV等で電子部品実装ロボットの旺盛な設備投資需要はコロナ禍から立ち直っていく世界経済の中で絶対にあると考えています。
売上のほとんどが海外であることから今後の成長性にも期待できる企業です。
過去の業績はこんな感じになっています。
売上、利益ともに順調に右肩上がりに伸ばしてきています。
高い利益率と自己資本比率が魅力の企業ですね。
配当金も年々増配傾向ですが、配当性向はまだ約30%と余力も十分で今後の増配も期待できるのではないでしょうか。
FUJIの現在のPERは8.76倍、PBRは0.89倍と過去平均と比べると平均的な水準。
配当利回り4.04%とは過去と比べると割安と言える状況になってきています。
ROEが10%を超えるなど収益性の面でも安心できる企業と呼べるのではないでしょうか。
景気敏感な企業ではあるので、更に配当利回りが高まるようなら積極的に買っていきたいと思います。
最後に
先月(運用19ヶ月目)は楽観的な見方が広がっていましたが、今月(運用20ヶ月目)は一転してパウエル議長の強いインフレを抑えるために発信したメッセージから相場の空気が変わりました。
SNSや情報紙で楽観論が増えた時ほど投資金額を減らす。投資したい気持ちを我慢した方が良いなと思った1ヶ月となりました。
新規購入銘柄を早く知りたいという方はインスタグラムで先に情報を発信しているので、フォローしてチェックしてみてください。
高配当株投資を始めようか悩んでいる方。
投資資金は豊富にないけど、高配当株に興味がある方はこちらの記事も合わせて参考にしてみてください。

21ヶ月目の運用状況が気になる方はこちらの記事も合わせて読んでみてください。
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