2022年に入ってからは下落相場が続いています。
高配当株投資を行っている方であれば、買い時はいつかと探っているのではないでしょうか。
私も買い場を伺っている投資家の1人です。
普段行っている高配当株投資の運用状況が気になる方はこちらの記事も合わせて読んでみてください。
今回の記事では買い場を探る為、人気の高配当10銘柄が過去20年の急落相場でどんなパフォーマンスだったか調べてみました。
調べてみたのはこちらの10社です。
高配当株投資家のユーチューバーやブロガーがおススメでよく紹介している10社です。
1業種2社までにして、業界ごとでのパフォーマンスの違いについても調べてみました。
この記事では過去の暴落相場での人気銘柄の株価の値動きを知ることで、今後暴落が発生した際の買い向かう基準の参考にすることができます。
- 暴落相場で人気企業がどれだけ下落するのかを知りたい方
- 過去の暴落相場でのパフォーマンスを参考に今後の買い場を探りたい方
今回は日経平均の暴落前の直近高値から暴落底付近での各銘柄がどんなパフォーマンスだったかをヤフーファイナンスの時系列をもとに抽出しています。
日経平均の暴落時のパフォーマンスは
まずは過去20年間の暴落相場で日経平均がどんなパフォーマンスだったかを紹介していきます。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 | 下落期間 |
---|---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 23,874円 | 16,553円 | -31% | 1ヶ月 |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 20,868円 | 14,953円 | -29% | 8ヶ月 |
東日本大震災 (2011年3月) | 10,254円 | 8,605円 | -18% | 2日 |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 18,262円 | 7,163円 | -62% | 15ヶ月 |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 20,833円 | 7,608円 | -64% | 36ヶ月 |
直近の暴落だったコロナショックがいかに短期間で暴落と回復をしたのかが良くわかりますね。
リーマンショックやITバブルのような長期間の株価低迷と下落率を考えるとかなり恐ろしいです。
ベテラン投資家でもコロナショックの時に、2番底を警戒して全力買いできなかった理由もよくわかります。
人気高配当銘柄 急落相場でのパフォーマンスは
では次に各人気高配当銘柄が株価の急落している際のパフォーマンスを順番に振り返っていきます。
KDDI 急落相場でのパフォーマンス
2022年2月22日時点でのKDDIの状況がこちらです。
- 終値:3,804円
- 配当利回り:3.29%
- 1株配当:125.0円
- PER:13.06倍
- PBR:1.73倍
各急落相場ではこんなパフォーマンスとなっています。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 3,444円 | 2,680円 | -22% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 2,967円 | 2,719円 | -8% |
東日本大震災 (2011年3月) | 925円 | 785円 | -15% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 1,528円 | 800円 | -48% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 2,167円 | 580円 | -73% |
下落率は-8%~73%と幅広い結果です。
ITバブル崩壊など情報・通信セクターへの影響が大きい暴落相場では大きく下落していました。
現在のNASDAQブームが崩壊した場合などは買い場がやってくるかもしれませんね。
今回調査した10銘柄の中ではJTと並んで急落時の株価変動率を平均した際の変動率が少ない銘柄でした。
人気高配当株の中では急落相場でも株価が下がりにくい銘柄となります。
NTT 急落相場でのパフォーマンス
NTTの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:3,310円
- 配当利回り:3.47%
- 1株配当:115.0円
- PER:10.84倍
- PBR:1.47倍
PERとPBRから考えると、同じ情報・通信セクターのKDDIよりも割安と言える状況です。
NTTも各急落相場での状況を振り返っていきたいと思います。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 2,818円 | 2,271円 | -19% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 2,419円 | 2,288円 | -5% |
東日本大震災 (2011年3月) | 1,032円 | 896円 | -13% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 1,377円 | 942円 | -32% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 4,000円 | 1,007円 | -75% |
下落率は-5~75%と暴落の幅としては大きい結果でした。
同じ情報・通信セクターのKDDIと同様にITバブル崩壊の時に大きく株価を下げています。
ただ今回調査した10銘柄の中では安定的に下落率が低く、安心して長期で保有できる銘柄と言えます。
暴落局面では優先的に買っていきたい銘柄の1つと言えるのではないでしょうか。
オリックス 急落相場でのパフォーマンス
オリックスの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:2,312.5円
- 配当利回り:3.37%
- 1株配当:78.0円
- PER:9.00倍
- PBR:0.88倍
オリックスはPERが10倍以下、PBRも1.0倍以下と一般的に割安な水準と言えます。
過去の急落相場でのパフォーマンスがこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 1,949円 | 1,138円 | -42% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 2,023円 | 1,263円 | -38% |
東日本大震災 (2011年3月) | 945円 | 741円 | -22% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 3,320円 | 884円 | -73% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 1,657円 | 494円 | -70% |
下落率は-22%~73%と金融関連銘柄ということで平均的に高くなっています。
不景気な環境では業績も低迷しやすい為、株価も低調に推移する傾向があります。
オリックスは人気10銘柄の中では急落相場での下落率が平均してもっとも高いです。
キャピタルゲインも狙うのであれば、暴落相場で優先的に買っても良いのではないでしょうか。
JT 急落相場でのパフォーマンス
JTの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:2,250.5円
- 配当利回り:6.67%
- 1株配当:150.0円
- PER:11.22倍
- PBR:1.42倍
配当利回りが高く、業績が安定しているのが魅力の企業です。
タバコ離れが進んでいることや配当性向が高くなり過ぎていた為、株価は右肩下がりに低迷していました。
しかし減配発表直後に暴落して以降は安定した株価となっています。
過去の急落相場でのパフォーマンスがこちらとなります。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 2,335円 | 1,904円 | -18% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 4,615円 | 4,125円 | -11% |
東日本大震災 (2011年3月) | 1,740円 | 741円 | -57% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 3,265円 | 1,287円 | -61% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 880円 | 652円 | -26% |
下落率は-11%~61%という結果でした。
不景気でも強い食品セクターの銘柄の為、平均の下落率としてはもっとも低い結果となっています。
東日本大震災の際にはもっとも下落率が10銘柄の中では高くなっています。
これは東日本大震災の復興財源としてJTの株の売却について言及されたことで下落を招いています。
安定している高配当株でも不安材料が出ると大きく売られるので注意が必要ですね。
武田薬品 急落相場でのパフォーマンス
武田薬品の2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:3,456円
- 配当利回り:5.21%
- 1株配当:180.0円
- PER:22.33倍
- PBR:1.01倍
武田薬品も医薬品セクターの高配当株として人気の銘柄となります。
10月に治験の安全性に懸念材料が出てきた為、研究を中止するという発表受けて株価が急落していました。
その後は不安材料が出尽くしたのか徐々に回復してきています。
急落時のパフォーマンスがこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 4,498円 | 2,900円 | -36% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 6,135円 | 5,298円 | -14% |
東日本大震災 (2011年3月) | 4,085円 | 3,660円 | -10.0% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 8,070円 | 4,160円 | -48% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 7,910円 | 3,840円 | -51% |
下落率は-10%~51%と下落の幅が最も狭いです。
暴落時のパフォーマンスを見ると、ポートフォリオの安定感を強めるのに良い銘柄と言えます。
今後の業績に期待を持てるのであれば配当利回りも現在は高くなっているので、今のうちに仕込んでおくのも良いのではないでしょうか。
しかし、配当性向が高い傾向にあるので減配懸念はぬぐえません。
慎重に観察した方が良い銘柄の1つです。
三菱UFJ 急落相場でのパフォーマンス
三菱UFJの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:730円
- 配当利回り:3.84%
- 1株配当:28.0円
- PER:ー倍
- PBR:0.53倍
銀行株は低金利が続いていることで株価もずっと低迷しています。
米国の政策金利上昇の影響を受けて、最近の株価は上昇傾向に変わってきています。
そんな東京UFJの急落相場でのパフォーマンスがこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 581円 | 384円 | -34% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 935円 | 446円 | -52% |
東日本大震災 (2011年3月) | 468円 | 363円 | -22% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 1,380円 | 551円 | -60% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 情報なし | 情報なし |
下落率が-22%~60.0%と金融セクターだけに高い傾向にあります。
銀行セクターは低金利の時は割安に放置されがちになるので、金利を見ながら買っていくのがおススメです。
今後金利上昇に合わせて株価も上昇傾向になるのではないかと思われるので、今のうちに仕込んでおくのが良い銘柄かもしれません。
三菱商事 急落相場でのパフォーマンス
三菱商事の2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:3,953円
- 配当利回り:3.59%
- 1株配当:142.0円
- PER:7.12倍
- PBR:0.95倍
12月から上昇を続けている商社株ですがPERとPBRで判断するとまだ割安な水準と言えます。
資源価格の高騰を受けて、どこの商社株も好調な決算をたたき出しています。
2022年も資源価格は高騰した状態は続きそうなので、今後も好調な状態は続くのではないでしょうか。
そして過去の急落相場についても振り返っていきたいと思います。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 2,936円 | 2,279円 | -22% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 2,829円 | 1,567円 | -45% |
東日本大震災 (2011年3月) | 2,296円 | 1,875円 | -18% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 3,570円 | 1,325円 | -63% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 999円 | 686円 | -31% |
下落率は-18%~63%という結果でした。
2020年8月に米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本の5大商社株を購入したことで注目を集めました。
三菱商事もそこから人気がでてきています。
今後ウクライナ情勢によって更なる資源高になれば、買い増しづらくなることが予想されます。
今の配当利回りが少ないと感じるなら、次の急落相場を待って買うのも考え方の1つです。
保有していなくて、今後も株価が上昇していくと判断するなら少額から買ってみるのも良いのではないでしょうか。
東京海上H 急落相場でのパフォーマンス
東京海上Hの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:6,878円
- 配当利回り:3.56%
- 1株配当:245.0円
- PER:11.54倍
- PBR:1.17倍
保険業は米国の長期金利が上昇する局面では「株価が上昇しやすいセクター」とされています。
その為、好調な決算と合わせて12月から株価は右肩上がりに上昇しています。
コロナショック以降割安だったPER、PBRも標準まで戻ってきています。
過去の急落相場のパフォーマンスはこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 6,313円 | 4,223円 | -33% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 5,203円 | 3,558円 | -32% |
東日本大震災 (2011年3月) | 2,718円 | 2,157円 | -21% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 5,300円 | 2,390円 | -55% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 情報なし | 情報なし |
下落率が-22%~55%と下落の幅は小さくなっています。
しかし他の銘柄に比べて1株あたりの株価が高いので、株価が下落した際には購入しておきたい銘柄です。
インフレを抑えこむ為に、金利は上昇傾向で業績も好調に推移するのではないかと思われるので次の急落相場がくるまで待ちたいと考えています。
三菱HCC 急落相場でのパフォーマンス
三菱HCCの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:606円
- 配当利回り:4.29%
- 1株配当:26.0円
- PER:9.16倍
- PBR:0.70倍
23期連続増配を行っている人気の高配当銘柄です。
現在のPERも9.16倍、PBR0.70倍と割安な水準と言えます。
過去の急落相場でのパフォーマンスがこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 723円 | 480円 | -34% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 679円 | 439円 | -35% |
東日本大震災 (2011年3月) | 364円 | 278円 | -24% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 580円 | 190円 | -67% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 164円 | 139円 | -15% |
下落率は-15%~-67%と暴落の幅がオリックス同様に大きいです。
暴落していない現在の相場でも割安感がある銘柄です。
しかし株価が急落した際には1株あたりの株価も安いので余裕があれば大量に購入していきたいですね。
他の高配当株はコロナ前よりも株価が上昇しているものが多いので、少しずつこちらの銘柄を買っていくのも良いのではないでしょうか。
JACリクルートメント 急落相場でのパフォーマンス
JACリクルートメントの2月22日時点での状況がこちらです。
- 終値:1,760円
- 配当利回り:4.26%
- 1株配当:75.0円
- PER:17.17倍
- PBR:5.32倍
PERとPBRだけ判断すると割高と言えるかと思います。
ただしPERは過去10年で見ても18倍以上、PBRも常に5倍以上と高い銘柄になります。
コロナ禍以降人材業界が苦戦していることも有り、コロナ前水準に株価が戻っていないのでチャンスと言える状況です。
過去の急落相場の状況がこちらです。
株式相場の事件 | 直近終値高値 | 終値最安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
コロナショック (2020年2月~3月) | 1,738円 | 918円 | -47% |
チャイナショック (2015年6月~2016年2月) | 780円 | 890円 | +14% |
東日本大震災 (2011年3月) | 93円 | 46円 | -51% |
サブプライムローンと リーマンショック (2007年7月~2008年10月) | 242円 | 27円 | -89% |
ITバブル崩壊 (2000年4月~2003年4月) | 情報なし | 情報なし |
下落した際には最大-89%まで下落と一番下落率が高かった銘柄です。
リーマンショックの時は採用を見送る企業が多かったので、その下落率も納得の水準です。
JACリクルートメントも下落幅が大きい銘柄となるので、下落した際には優先的に買っていきたいと思います。
まとめ
株価が暴落してから買いたい銘柄を探そうとしても冷静な判断が出来ずになかなか買うことができません。
急落相場になった際にどんな銘柄を買っていくのか事前に決めておくのがおススメです。
今回紹介させて頂いた銘柄ではこんな優先順位で買っていきたいと思っています。
銘柄 | 優先順位 |
---|---|
KDDI | 5 |
NTT | 2 |
オリックス | 1 |
JT | 10 |
武田薬品工業 | 8 |
三菱UFJ | 7 |
三菱商事 | 4 |
東京海上H | 3 |
三菱HCC | 9 |
JACリクルートメント | 6 |
あなたも今後来るかも知れない急落相場に備えて、過去の下落率を参考に投資プランを考えてみてください。
今回人気の高配当10銘柄を紹介させて頂きましたがこれらの銘柄に投資を推奨している訳ではありません。
株は下落リスクもありますので、最終的な投資判断は自己責任でお願いします。
今回紹介した銘柄以外の優良銘柄の探し方が気になる方はこちらの記事を読んでみてください。
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